「あるものはないものよりも重視される」
このことを特徴肯定性効果というらしい。
戦争中には平和のありがたみがわかるが、平和な時にはそれがわからない。
風邪を引いたり病気をすると健康のありがたみがわかるが、健康な時にはそれがわからない。
大酒飲みも同じだ。
酒を飲んだ次の日には、酒を飲んでしまった後悔や、酒を飲まないことのありがたみを死ぬほどわかるが、その次の日にはすぐに忘れていて、また同じことを繰り返す。
大酒飲みにとって、酒は、お金も、時間も、健康も、人間関係をも奪う悪魔のような存在であるにも関わらずだ。
今日は大晦日。来年の目標を決める人も多いだろう。
減量をするとか、いくら稼ぐとか、習い事を始めるとか、海外旅行に行くとか新しくやることを掲げる人が多いだろう。
私も常にそうだった。
でも、私は、来年の目標は
「酒を飲まない」
というただ1つを目標にしようと思う。
全く派手さもなく、つまらない目標かもしれないが、私にとってはこれ以上大事なものはない。
ちなみに、過去70年において、医学のどんな革新的な進歩よりも、喫煙の害を世界に浸透させたことほど、人々の健康にとって貢献したものはないらしい。
禁煙を叫んだ人がノーベル賞を取れたわけではないのだが。
何かを付け加えるよりも、自分の役に立たないクズな習慣をやめる方が幸せになる。
たとえそこに人々の称賛や派手さがなかったとしても。
とても励みになる。